【古今東西ビジネス書ログ】人生という船旅に役立つ本

ビジネス本を読むことが好きなアラフォー子育て中のサラリーマンです。 多くの人達と同じように、日々の問題をビジネス本の中の考え方やノウハウを試行錯誤しながら取り入れることで解決したり乗り越えてきたので、役に立ったものや面白かったものを紹介していきたいと考えています。

脳と気持ちの整理術(著者:築山節)

 脳外科医の著者が、脳科学的な知見をベースに、日々の不安をコントロールし、安定的なパフォーマンスを発揮するための基本的な行動や習慣をまとめた本です。不安や悩みへの対処という点では、人生の中でもっとも参考になった本の一つです。仕事に強い悩みを抱えている人がいたら、ディール・カーネギの「道が開ける」かこの本を薦めたい。自分自身も会社への足取りが重く感じられる日はこの本を手に取っていくことが多いです。
 書かれている取組みは、難しい問題にぶつかったら書きながら考える、時間制限を設ける、飽きてきたらアプローチの仕方を変える、夜寝る前に少しだけ翌日の準備をするなど簡単なことが多い。だが、そ ういったシンプルなことこそ脳トレなどより、脳科学的な見地からして効果があることが説明されている。これは自分の経験則的にも正しいと感じるし、この本を読むことで改めて基本的なことをしっかりやろうという気持ちになる。他に、「フリーズする脳―思考が止まる、言葉に詰まる」、 「脳が冴える15の習慣 ―記 憶・集中・思考力を高める」などの著書があるので併せて読むとよいかもしれません。内容的には本書が一番トータルにカバーされていているように思います。
 内容以外にも、文章全体から著者の温かみのある人柄が伝わってきます。とてもお勧めです。

 

■評価 ※ブログ主にとっての役立ち度
 ・S

 

■もっとも参考になった習慣、考え方
人生には目標が要る。現代のような変化の大きい時代には、自分なりの目標を持っていることがとても重要。

 

■参考になったポイント(引用)
●基礎から地道に続けていくと最初は時間が掛かっても、ある段階から脳の成長が加速度的に速くなっていく。
●難しい仕事への対処。①時間的制約をもつ、②必ず結果を出す(脳から現時点の考えを出力)、③アプローチを変化(カフェに行く、歩く、話す)
●問題を見える化するもっとも初歩的な技術は紙に書き出すこと
●時間的整理 --- 仕事と私を多元的に捉える。1年の仕事を365日分の私が力を合わせて解決すればいい。
●物の整理には5重の意味がある。思考の整理の訓練。必要な書類を揃えやすい。気になる感情の整理。気分がすっきりする。物を探すロスが少ない。
●仕事は細切れの時間にコツコツ進めていくことが、もっとも効率の良い進め方。(まとまった時間はできない)
●アイディアを生み出すには、目的意識、問題意識を持って生活し、たくさんの情報を脳に入力しようとする段階が必要。
●快でも深いでも、強い感情が発生した後には地味な仕事や勉強をコツコツやっているような時間を設けた方がいい。
人生には目標が要る。現代のような変化の大きい時代には、自分なりの目標を持っていることがとても重要。
●目標は出力した言葉の中から発見するもの。
●絶対に乗り越えられないかのように思っていた壁が、経験や状況で簡単に乗り越えられる時がある。その間は辛抱強く待つしかない。この待たなければならないということが分かるかどうかが、現代という難しい時代を生きるためにとても大切


■面白かったポイント(引用)
●作業をすることによってある種の作業興奮が発生する原理(作業興奮、エミール・クレペリン
意欲は行動に先立って必要なものというより、何をするか決めることにより発生し、行動していく中で増幅されていくもの。
たくさん仕事がある時は、明日でいい仕事は明日の私に任せる。
●記憶には有効期限がある。
●尊敬する人ができるのは感情をコントロールする上でとても貴重なこと

 

■リンク

脳と気持ちの整理術―意欲・実行・解決力を高める (生活人新書)

 

 

■カテゴリ
①:苦境からの回復
②:仕事効率化・生活充実化

 

■構成
第1章 前向きな自分を作る
第2章 思考の整理術 --- 計画・実行力を高める
第3章 記憶を強化する技術
第4章 アイディアを生み出す技術
第5章 気持ちの整理術

 

■基本情報
 著者:築山節
 出版社:NHK出版
 発行日:2008/4/10

 

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