【古今東西ビジネス書ログ】人生という船旅に役立つ本

ビジネス本を読むことが好きなアラフォー子育て中のサラリーマンです。 多くの人達と同じように、日々の問題をビジネス本の中の考え方やノウハウを試行錯誤しながら取り入れることで解決したり乗り越えてきたので、役に立ったものや面白かったものを紹介していきたいと考えています。

30歳からの成長戦略(著者:山本真司)


 外資コンサルティング業界でパートナを務める程、バリバリに働かれていた山本さんが、若手が抱える問題を分析するとともに、それを解決するための成長
戦略をまとめた本。成長戦略の内容自体は、著者自身が長年の試行錯誤を経て身につけていったやり方をベースにしたもので、非常に説得力がありつつも、内容
は具体的で取り入れやすいものが多いと思う。
 反常識をうたっているだけあり、仕事術や学習戦略にも、通常のものとは大きく異なるものが多い。特に興味深かったものが集中力を最大化するタイムマネー
ジメントに関する話。通常は、集中、集中を繰り返し疲れ切ったら休むというサイクルとなるが、そうではなくまずしっかりと休み、意欲が高まったら一気呵成
に集中して仕上げるというサイクルの方が、アウトプットの質や効率性が飛躍的に高まるとのこと。肉食動物の狩りのイメージか。とにかく、あまり聞いたこと
の無いやり方だったらので、斬新だった。
 仕事術や学習法以外にも、ファイナンス等の具体的なMBAで習得する知識の要点なども説明されており大変内容が充実している本だと思う。
 知識がコモディティ化した現在は、このような成長戦略の考え方は誰もが意識しなければならないと思うが、特に若い方にはお薦めです。


■評価 ※ブログ主にとっての役立ち度
 ・A-

 

■もっとも参考になった習慣、考え方
●大きい仕事をするために弛緩する。

 

■参考になったポイント(引用)
●自分を差別化するためには、すべての分野に手を出すわけにはいかない。これをやるこれは捨てるという捨てる意思決定がなければならない
●悩みや苦しみの中から自分の道を発見し、自己研鑽してきた人間には、素晴らしい魅力と実力が宿るものだ。競争は己を磨く最高の環境である。
●大事な資源であるあなたの時間は、他者と差別化できる分野の研究に捧げること
●知識を学ぶことが重要なのではない、変わりゆく状況に応じて学習する能力を磨くことが重要
●アウトプットから入って、遡って手段を学習した方が興味を持続させ効率的により深く学習できる
●全体の把握はイメージでするしかないと思う。左脳ではなく右脳を使うのだ。今携わっている仕事が最後=お尻にどうなっていれば理想なのかをイメージで考えれば全体がチェックできる
●資料を一切見ないでイメージで考える
●自分の持ち時間を単なる物理時間として一括りにしないで、集中力が発揮できるほどに知力も体力も充実した黄金の時間、それより劣る純銀の時間、あまり集
中できない青銅の時間に分けて、刈り取る仕事、投資する仕事など要求水準の高い仕事に優先的に質のよい時間を割り当てるよう計画した
●私は、常に3つは差別化研究のためのテーマを追いかけるよう義務付けている。
●着眼両極、着手単極


■面白かったポイント(引用)
「人気がないもの×好きなもの」で差別化
●自分がある期間、正しいと思って心血を注いだ作品をいつでも冷淡に捨てられるかどうか、これが部分の呪縛から自分を解放する決めてだと思う。
●大きい仕事のために弛緩する
まずは完全に休んでしまう。体力のためができると、仕事をしようという意欲が湧いてくる。それでも仕事をスタートさせない。仕事をしないといられない程
意欲が湧くまで休んでおく。そこから仕事を戦略を考えて一気呵成にやり遂げる。疲れたら休む。
●業界で一番の累積経験値を目指す
イメージの操作作業になれる。イメージのアーカイブ(脳の貯蔵庫)を充実させる
●私は強いと思う。なぜなら私は無欲だからだ。失うものがないからだ。この言葉を聞いた時に私は負けたと思った。

 

■カテゴリ
②日頃の仕事術

 

■構成
第1章 成長戦略を構築しよう
第2章 ビジネススキルより差別化の戦略を
第3章 アウトプット志向学習法のすすめ
第4章 成長するための思考法
第5章 集中力を最大にするタイムマネージメント
第6章 付加価値を高めれば資源はついてくる
第7章 MBAコンプレックスを克服する
第8章 論理と感情を併せのむ
第9章 経営者人材をめざす
第10章 成長戦略を変えよう

 

■基本情報
 著者:山本真司
 出版社:PHP研究所
 発行日:2005/1/12