人生の流れを変える(著者:藤原和博)
著者は、リクルートで様々な事業を立ち上げ、その後に中学校校長に転身され斬新な取組み(例えば世の中科でホームレスの人の話を聞く!!)をされた藤原和博さん。そんな藤原さんが、約20年前の1998年のまだ中学校校長になる前に書かれた本。
「いくつもの自分のかけらを育ててゆくことが自分の人生の主人公になる最も身近な方法」といったような、自分本位な生き方を模索する上での参考になる考え方が多い。この本に書かれている考え方は、ブログ、ソーシャルメディアなどで自己発信が容易になり、主体的に生きる手段が増えた現在によりフィットするのではと感じる。
また、当時40歳ぐらいの藤原さんが管理職の非生産的な仕事(社内政治、評価、会議)に対して感じる虚しさを正直に吐露している部分は、人間的で共感できる。
■評価 ※ブログ主にとっての役立ち度
・A
■もっとも参考になった習慣、考え方
●いくつの自分のかけらを育ててゆく新しい自分主義が自分の人生の主人公になる最も身近な方法。やがていくつかのかけら同士が、ジグゾーパズルが見えてくる瞬間のように、自然な「自分」のつながりが見えてくる。
●語るほどの失敗がない人は語るのほどの失敗をするところから始めよう。"
■参考になったポイント(引用)
●納得いく仕事をする未上場企業に参加して、自らその成長に加担する
●自分にあった仕事をみつけて、持てるエネルギーをめいいっぱい注ぎこんでいく。
●方向性を間違えず自分にあった仕事のデザインをすれば、経済的な報酬だけでなく名誉や達成感のような無形の報酬も、それから人々との豊かなつながりに代表されるような自分に蓄積される見えない資産を含めて、エリートのファンドマネージャを凌ぐリターンを得ることができる。
●絶対の成功法則などという軽薄あビジネス書のタイトルのようなものは、本来あるはずがない。あるのは失敗してもいいから、やれることは全てやるという一種の覚悟だろう。
●自分の語尾を直していくと、新たな決意が生まれてくる。その決意が5年後の自分のいい顔を作る。
●変身術。自分探しよりも、「もう一人の私」を何人も持つ方がいい。(絶対的な「一つだけの存在」だと考えてしまうと、自分探しの無間地獄はつづく)
●いくつの自分のかけらを育ててゆく新しい自分主義が自分の人生の主人公になる最も身近な方法。やがていくつかのかけら同士が、ジグゾーパズルが見えてくる瞬間のように、自然な「自分」のつながりが見えてくる。
■面白かったポイント(引用)
●語るほどの失敗がない人は語るのほどの失敗をするところから始めよう。
●正直な自分の弱みの吐露にはみんなのエネルギーが凝集する
●自分の弱い部分、マイナスのところから出して深いところでコミュニケーションしないと、いつまでたっても他人のまま孤独感から抜けられない。
●米国では、いつでも相談できる精神科のカウンセラーと弁護士を友人として持つことが重要
●教育をおもいっきりエンターテイメントしよう。
●男が正気に返れるのは、戦争に行くか、監獄に行くか、さもなければ大病を患うか。3つぐらいしかないのだ(西部邁さんが語っていたこと)
■カテゴリ
③:夢・目標の明確化・達成
■構成
第1章 「脱・常識」できる人が流れを変える
第2章 仕事の流れを変える
第3章 「人を好きになるチカラ」が流れを変える
第4章 自分の人生のオーナーになる
特別付録 会社を変えるユニークな人材革新の試み
■基本情報
著者:藤原和博
出版社:PHP研究所
発行日:1998/8/22